三日目


帯広ワシントンホテルを八時半頃チェックアウトした。今日は糠平温泉を経て大雪湖まで行き、然別湖まで戻っては、帯広空港に戻る予定だ。然別湖は行ったことはあるが、糠平湖はまだない。今日も天気は申し分ない快晴で、愉しみだ。
帯広市内を抜けると、やがて、畠の中の道となる。この道を真っ直ぐに進めば、やがて、糠平湖に着く。その前に、道の駅ピア21しほろで休憩だ。
糠平湖に近付くにつれて、国立公園らしい景色となる。しかし、クマが出そうな雰囲気だ。
糠平湖の手前に来ると、鉄道資料館を見学だ。昭和62年までは国鉄士幌線が走っていた。その資料を展示しているとのことだ。


鉄道資料館を後にし、糠平湖まで行こうとしたのだが、曲がる道を通り過ぎてしまったようだ。それで、ビジターセンターの係員に訊いて、元来た道を戻り右折して、程なく糠平湖に着いた。しかし、ダムの堰では作業員が作業をしていて、近付けない。しかし、とてもよい眺めだ。国立公園に相応しく、青空の下に、辺りの光景がとても美しい。



糠平湖を後にすると、やがて、糠平温泉街に入った。ここで、土産物店に入った。

糠平温泉


時間に余裕がありそうなので、おんねゆ温泉まで行こうと思い、訊いてみたところ、1時間程だという。これなら、行けそうだ。また、ここから先の三国峠からの景色が素晴らしいとのこだ。また、アーチ橋の説明も聞いたが、よく分からなかった。


糠平温泉を後にし、糠平国道を大雪湖向かって走らせていたのだが、その途中、タウシュベツ川橋梁が見えるタウシュベツ展望台の駐車場で停まろうと思ったのだが、何しろ、初めて走る道だし、また、60キロ以上の速度を出していれば、大きな駐車場でない為に、通り過ぎてしまった。しかし、この道は景色がよいので、すかさず写真を撮っておいた。


糠平国道をこのまま走り続けると、やがて、三国峠だ。

三国峠峠には売店があり、観光客で賑わっていた。何かを買って食べたような記憶があるのだが、何を買ったのかは忘れて忘れてしまった。


三国峠を後にすると、次は大雪湖だ。実のところ、大雪湖を訪れるのは、三回目だ。最初は旭川から路線バスで層雲峡にやってきては、それから大雪湖行きのバスで来た。バスの運転手さんは、通常このバスに乗れば、大函、小函辺りで降りる人が多く、大雪湖まで行く人は少ないと説明した。確かに、バスの終点で降りても、景色はあまりよくなかった。次は、レンタカーで旭川周辺を走った。その時、層雲峡で一泊したのだが、その時以来だ。
糠平国道をそのまま走り続けると、やがて、右側に大雪湖の湖水が見えるようになって来た。

大雪湖。以前大雪湖に来た時も、この場所で写真を撮った。何となく懐かしい。


写真撮影を終えた後、まだまだ行かなければならない。何しろおんねゆ温泉まで行こうと思ってるのだから。
おんねゆ温泉へは、大雪湖を右折し、北見国道を層雲峡とは逆方向に車を走らせるのだが、山の中の道ということもあり、この辺りでかなり疲れて来た。この調子では、とてもおんねゆ温泉まで行く気にはなれない。
それで、石北峠で、Uターンすることにした。石北峠には売店もある。

後で知ったのだが、石北峠近くの道路際にクマが出たそうだ。


石北峠の売店。クマは本物だよ。
この売店でも、何かを食べたが、何を食べたのかは忘れてしまった。しかし、この辺りで取れたという小さな石を買った。


石北峠を後にし、後は帯広空港に戻るだけだ。といっても、まだまだ走らなければならない。そして、この後、然別湖を訪れる予定だ。
やがて、大雪湖に着いた。ここから、左折し、再び糠平国道を走り、糠平湖まで戻る。
大雪湖から少し行った頃、大雪高原温泉に行く道があったので、少し行ってみようかと思ったが、まだ五月だということもあり、ゲートが閉まっていた。
そして、その後、二、三分位走ったであろうか。車の二十メートルか三十メートル程の左側の林から、100キロはありそうな大きなシカが突如、道路に飛び出してきたかと思うと、何と、横切り、右側の林の中に入って行ったのだ。
これにはびっくりした。こんな経験は初めてであった。
そういえば、この糠平国道では、度々シカの飛び出し注意の警告板を見たような記憶がある。しかし、実際に僕がそれを経験するとは思っていなかった。
そう思ったのと共に、僕の表情は強張った。それも当然だろう。何しろ、あんな大きなシカにまともにぶつかってしまえば、車は大破し、深刻な事態が発生することは、十分に予想出来たからだ。この日は二泊三日の三日目であり、また、かなり疲れていて、後は帰るだけだから、60キロ程の速度でゆっくりと走っていた。それが、幸したのだ。これが、もし80キロ程で走っていれば、ぶつかっていたかもしれない。後ニ十秒程早く現場を通り掛かれば、事故になっていたというわけだ。
この時以来、北海道での林の中の道は、速度を落とし、慎重に走るように心がけた。
そして、やがて、糠平湖に戻って来た。しかし、湖畔では休憩はしなかった。その代り、雪のない糠平温泉スキー場で少し休憩した。

糠平温泉スキー場


そして、糠平国道から然別湖に向かう道に入ったのだが、これがなかなか細い山道だ。だが、途中景色のよい場所があったので、すかさず写真を撮った。


糠平湖から然別湖に向かう道


やがて、無事に然別湖に着いた。然別湖を訪れるのも、二度目だ。そんな僕の表情は、後少しでシカとぶつかるという予想外の出来事に遭遇してしまった為に、強張っていたことだろう。
然別湖では、遊覧船に乗ることにした。この遊覧船に乗るのも二度目だ。十分程待って、乗ることが出来た。お客さんの数はとても少なかった。

然別湖の展望台



遊覧船からの景色はこんな具合だが、後は帯広空港に戻るだけだ。しかし、その前に扇ヶ原展望台で休憩するつもりだ。ところが、キタキツネが現れた為に、車外に出ることが出来ない。咬まれたりすれば、大変だ。

このキタキツネ、僕が車を移動させても、ついて来る。それで、やむを得ず、車外に出ることなしで扇ヶ原展望台を後にした。


扇ヶ原展望台を後にすると、そのまま何処にも寄ることなく、帯広空港に向かった。
そして、レンタカーを返却した時、今回の旅行で1000キロ走ったことを知った。今までの記録が750キロだっただけに、こんなに走ったのかとびっくりした。
レンタカー返却時に、係員にシカとぶつかりそうになったことを話した。そして、レンタカー利用者でシカとぶつかった人はいるかと、訊いてみたところ、「いますね」と言った。さらに、「人間もただでは済まない」というようなことも付け加えたが、それ以上のことには言及しなかった。
とにかく、ワゴン車で空港まで送り届けてもらい、今回の旅行も何とか無事で終わった。


帯広(20:25)発JAL1158便で羽田に向かう(22:05)着


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